声優、ナレーターの違い

声優、ナレーターを一緒にされているのをよく見かけます。

確かに両方ともしゃべりの技術を主としている世界であり、
共にある程度の舌滑のよさは求められます。
でもそんな中にも違いがありまして、今回はそれを一つ、書いてみようと思います。

それは、「日本語の音へのこだわり」

不思議と声優として"演技で"しゃべっている最中、
(よっぽどひどい場合を除いて)日本語の"音"を指摘されることは少ないと感じています。

しかし、ナレーターが"情報を伝えるためにしゃべる"場合、
日本語一音一音へのこだわり方は、声優のそれと比べて非常に強いです。
少なくとも僕のお世話になっているナレーターに関しては、こだわっている方がほとんどでした。

まあ情報を伝えるという目的がある以上、当然といえば当然なのでしょうが・・・・・・

日本語の音に対するこだわり、例えばサ行の"サ"を例にとってみます。

ローマ字でSAと書くこのサの音。
発音する際は摩擦音と言われる"S"の音と、母音である"A(あ)"の音の組み合わせとなります。
もう少し詳しく書くと、この摩擦音は口の中で、上顎と舌で作る小さな管の中に息を通し、
その息が上前歯を通る際に摩擦が起こって奏でられる音です。
その音に"A(あ)"の音を重ねるわけです。

こだわりのある方が違う!と言っても、
一般の方が聞いたら「同じでは?」と言われそうです。

が、よーく耳を凝らすと分かってきます。違いが。

そんなこだわりが、「あ」〜「ん」まで続きます。
そこまで気にしなくても伝わるのでは?と思いがちですが、
実際に録音してみると、違いがまた如実に現れます。

格好良く決めて欲しい部分や、楽しく伝えて欲しいという部分等、
とにかく全体が何とも気が抜けると申しましょうか・・・・・・
何か"決まらない"のです。

詳しく検証していくと、この"発音"の問題だったりします。

発音に凄いこだわりを持ってないという方もいらっしゃるため、
声優とナレーターの明確ね違いとまで言えませんが…

難しい世界ですよね、全く(==;