外郎売り

先日、久しぶりに外郎売りを読む機会がありました。

外郎売りというのは、「拙者親方と申すは・・・・・・」という冒頭から始まる、この業界では非常にメジャーな練習?文です。
元は江戸の初期(1718年)に作られた歌舞伎の演目の一部なのです。300年の歴史があるわけです。
*細かい部分はいろいろ変わっているはずです。現在も単語の読み方など、多くの読み方が存在しています。

内容は、外郎という薬を売る売人のセリフです。
売人がお客さんの前で宣伝をするシーンを抜粋しているようですね。ざっくりと内容を説明すると・・・

「この薬すごいですよ。飲んでみますね。飲んでみますと、
だんだん口が滑らかにべらべら喋られようになります。ほらこんな感じに・・・(言いづらい単語をベラベラと早口にしゃべって宣伝)
こんな感じです。どうですか!お客さーん!」

こんな感じです。
この早口になる部分が滑舌の訓練になるというわけです。

滑舌ということで、"早口練習だ!"と思い、とにかく早く読む方がいらっしゃいます。
しかし意味を伝えないと全く意味がありませんので、早口で言うことを最初から目指す必要はありません。
上で書きましたが、お客さんへの宣伝文句ですので、お客さんに伝えるように言うべきなのです。


訓練ということで、覚えるほど繰り返して読みます。僕もやりました。きっちりと覚えました!
が、途中から効率を考えて、ア〜ワ行の各発声練習文に切り替えたため、ここ数年、全くやっていなかったのです。

いやー、忘れている忘れている。軽く焦りました(笑)

伝統的な練習方法ゆえ、またどこかでお目にかかることがあるでしょう。
その時のために、また覚えなおすか、と思ってしまいました。
真剣にやると結構疲れる訓練なんですけどね(==;


よく昔触れた映画や小説を見直していると、新しい発見があったりします。
訓練も同じように、また新しく何か学べるかもしれません。